名馬であれば馬のうち

読書、映画、その他。


読書、映画、その他。


ゲーム

おまえはネコにふれるたびに人生をセーブする。ーー『Ikenfell』

ゲームの説明に必要なことは他で書いたので、ここでは書きたいことだけ書きます。store.steampowered.com 姉について 姉は何も教えちゃくれない。『Ikenfell』は失踪した姉を探す妹の話だ。その妹が姉と出会えるのはラスボス戦直前で、直接会話するのはエン…

落ちる。――『Fall Guys: Ultimate Knockout』

六十名からなる豆人間たちがひとところに集まって「ゲームショー」をやらされる。「エピソード」=ステージごとに二割から三割程度が失格となり、最終的にたったひとりが勝者となる。 わたしたちは Fall Guys でサバイバルのなんたるかを初めて知ることにな…

共同制作者という名の悪夢:『Night in the Woods』の制作とアレック・ホロウカの死【翻訳】

訳者前書 ・以下は Night in the woods 共同開発者のひとり Scott Benson が同じく共同開発者だった Alec Holowka の自死(2019年8月)に関して2019年9月に寄せた文章の訳である。 medium.com・ホロウカの死の背景については以下の記事から。 automaton-medi…

四月に遊んだゲーム:『グノーシア』、『Ori and the Will of the Wisps』、『Life is strange 2』、『Final Fantasy VII REMAKE』他

いつのまにか映画を観られない世の中になってしまって、本も読めない気分になってしまいました。しかし、かなしむことはない。そういうときはゲームがあります。 というわけで、四月はずっとゲームを遊んでいたのです。 基本的には全作おもしろかったのでオ…

死に場所を選ぶ:Ori and the Blind Forest のセーブシステムについて

Celeste がそのままモチーフに用いていることからわかるように、死に覚えプラットフォームアクションは登山行為に近い。 Ori and the Blind forest がとりわけ登山めいて感じられるのは、おそらくセーブシステムのせいだろう。 スキルポイントを消費してセー…

繰り返されて壊れていく死のストーリーテリングーー『KATANA ZERO』について

テレビ 日毎の嫌悪嫌悪 なめらかな饒舌 操作された快活さに接するたびの 安逸さという字はどう綴るのか ーーハイナー・ミュラー「ハムレット・マシーン」岩淵達治・谷川道子訳 Katana Zero - Launch Trailer こどもの頃、英語の先生(オーストラリア人だった…

【翻訳】アドベンチャーゲームの憑在論:ノスタルジック・ホラーとしての『ナイト・イン・ザ・ウッズ』と『Oxenfree』

リンクが失われてしまった過去のミームへのトリビュート*1 喪1「いや〜〜〜〜マーク・フィッシャーさんすごく良かったですよね〜〜〜〜」 喪2「良かったですよね〜〜〜」 失われた未来の可能性にゃん「そ、そうにゃんか 失われた未来の可能性にゃんはああ…

『ナイト・イン・ザ・ウッズ』とフラナリー・オコナーの関係について

*『ナイト・イン・ザ・ウッズ』に関する多少のネタバレがあります。 エルサレムの聖キュリロスは教理問答でこう記した。「竜が道の脇に座し、通りすがる人々をじっと見張っている。この竜に食い殺されないよう用心せよ」 ーーフラナリー・オコナー、Mystery…

作業用BGMとして優秀な知らないインディーゲームのサントラ十選を聴く

前回までのあらすじ 作業がおわらない。 選考基準 ・あんまり盛り上がりまくられると困る*1 ・聴いてて心地いい ・チルいやつ ・チルすぎても眠くなるよね ・だいたいサブスクリプションサービスにおいてある。 ・いうて八割方プレイ済みで、知らないゲーム…

永続暴力のためのゴリラ革命(ゴリレヴォリューション)ーー『APE OUT』

「俺たちはその昔、ゴリラだった。取るか取られるかがすべてだった。実際のところ、今日の君は昨日の君よりも『男』なんだよ」 「どうやってわかる?」 「赤潮だよ、レスター、俺たちの人生は赤潮だ。他人がひねりだしたクソを毎日食わされる。上司。女房。…

インディーゲームと映画の(雑な)関係――Disasterpeace、デイヴィッド・オライリー、アナプルナ

例によって動画リンクが多いので重いですが。 デイヴィッド・ロバート・ミッチェルと Disasterpeace 『イット・フォローズ』監督の新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』日本版予告編 めずらしく音楽ネタから入ります(『ザ・プレデター』で『don't starve』…

きみはどこで死ぬのか。:『minit』のレビュー

『Minit』は六十秒ごとに死ぬ『ゼルダの伝説』タイプのゲームだ。 Análisis Minit PC | MeriStation.com それは一般に「コチッ」「カチッ」だとか、「チックタック」だとかいう擬音であらわされる。 一六九〇年にジョン・フロイヤーが史上初めて時計の機構に…

困難さを物語ることについて:『Celeste』のレビュー

たったこの25メートルを攀るためだけに/これまでの20年間はあったのではないか こんなことはもう二度と/できないだろう もう何も/俺の中には残っていない 気力とか体力とか言葉で言いあらわせるもの/じゃなく 言いあらわせないものまですべて/この…

私たちは悪魔と取引してデザインされた死を遊んでいる

『ゆゆ式』を思い出そう。『終末少女旅行』を思い出そう。 あなたはいつだって、「この問題」を無敵の少女たちに押しつけてきた。 その罰として、あなたは今、悪魔と契約したコップに成り果てている。 Cuphead Launch Trailer 人生では一回しか体験できず、…