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名馬であれば馬のうち

読書、映画、その他。


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2015年のミステリ映画を回顧する

 そもそもの問題として映画に「ミステリ」はあり得るのか、というアレがあるわけですが、それはそれとして、今でもジャンル映画としてのミステリ映画はそれなりに公開されていて、面白いものもたくさんある。
 というわけで、去年とお正月に観た2015年の新作ミステリ映画を総括いたしましょう。

 ちなみにここで扱う「ミステリ映画」には二種類あります。
 ひとつは事前に製作者側ないし宣伝側でミステリとしてパッケージされた*1ジャンル*2としてのミステリ映画で、もうひとつは特にそういうパッケージングはされていない(ミステリとして期待されていない)映画です。
 前者は、後者をで塗り分けていきたいと思います。
 番号は自分からみて「ミステリっぽい」順にソートしました。わりあい雑なので参考程度に。


1.『プリデスティネーション』(スピエリッグ兄弟監督)
演:サラ・スヌーク、イーサン・ホーク
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 1981年にタイムトラベルが発明された世界。時空警察の捜査官(ホーク)は爆弾魔「フィズル・ボマー」によって設置された爆弾の解体作業に失敗し、大やけどをおってしまう。かろうじて一命を取り留めた彼は「最後の任務」を拝命し、1970年*3のニューヨークへ跳ぶ、
 とあるバーでバーテンダーとして働き出した捜査官のもとに、ある夜、ジョン(スヌーク)と名乗る一人の男性客が現れ、自分の人生を披瀝しはじめる。曰く、ジョンはその昔、「ジェーン」いう名の少女であったというのだが……。

 ハインライン原作のSFミステリ*4
 ストーリー、登場人物、ラニングタイムを極限まで切り詰め研ぎ澄ました、変態的なまでにタイトな映画。少なくない人が途中で着地点を看破できると思うけれど、「じゃあ具体的にどうやってそこまで持ってくのか」を芸術的に突き詰めて飽きさせない。


2.『君が生きた証』ウィリアム・H・メイシー監督)
演:ビリー・クラダップ、アントン・イェルチ、セレーナ・ゴメス、ローレンス・フィッシュバーン
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 大学構内で発生した銃乱射事件によって息子を亡くした男、サム(クラダップ)。
 息子の死にショックを受けた彼はそれまで務めていた広告会社を退職し、ボートで寝起きしながら日雇いの仕事で生計を立てる毎日を送っていた。そんなある日、離婚した元妻から息子の遺品である楽器や自作CDを譲り渡される。
 息子が遺した楽曲を聴き、歌っていくうちに亡き息子の姿をそこに見出すようになるサム。彼は息子の曲を、ライブバーで歌うことを決める。

 言っちゃうとなんだけど叙述トリック映画です。叙述トリックのキモはどんでん返しする部分そのものよりも、どんでん返しによってそれまで語られてきたことがどう変容するのかにあると思うのですが、それを下手なミステリよりディープな部分で達成している。
 提示されたシチュエーション(息子の死によって荒れた生活をおくる父親)や道具立て(死んだ息子が遺した歌)、それに出てくるキャラクターたちまでもがちゃんとトリック発動後の変化に絡んでくる。それでいていわゆる「トリックに奉仕させれている」感があまりない。トリック自体はあくまでストーリーの従属物なのです。
 ミステリというジャンル外でミステリ的な技法を用いるときの、ある種の理想形なんじゃないかとすら思います。
 逆に言えば、「ストーリーのためのトリック」だけでなく「トリックのためのトリック」が許されるのもジャンルとしてのミステリのいいところではないのかな、とそういうことも照射的に再確認させられました。


3.『女神は二度微笑む』(スジョイ・ゴーシュ監督)
演:ビディヤ・バラン、ナワーズッディーン・シッディーキー
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 イギリス在住の妊婦ヴィディヤ(バラン)がインドへ渡ったっきり失踪してしまった夫を捜してカルカッタへやってくる。夫が宿泊していた宿や勤務先で必死に聞き込みを行うヴィディヤだったが、誰一人として夫を知るものに出会わない。そんななか、ダムジという夫と瓜二つの人物の存在を知る。果たしてダムジの正体とは? 彼女の夫はなぜ失踪したのか?

 インドからやってきたド直球本格ミステリ。プロットから語りの細やかさに至るまで繊細に配慮されている。伏線あり、捜査あり、殺人あり、高圧的な警察あり、陰謀あり、どんでん返しあり、盛り上がるクライマックス(インドならではの舞台設定が嬉しい)ありと嬉しさアリアリの満漢全席。ミステリファンで嫌う人はあんまりいないんじゃないかな。


4.『最後まで行く』(キム・ソンフン監督)
演:イ・ソンギュン、チョ・ジヌン、チョン・マンシク
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 企業から班ぐるみで賄賂を受け取っていたドぐされ刑事が母親の葬式の帰りに車で人を轢いてしまい、事件を隠蔽するために母親の棺桶(キリスト教式なので土葬)に遺体を隠そうする、という黄金期海外本格じみたところからはじまってどんどん刑事がドツボにハマっていく地獄めぐり映画。
 とにかく、これでもか、というぐらいに全編通してサスペンスが連続する。『アルゴ』なんて目じゃないくらい、ギッチギチにドキドキをコッテリ詰めこみまくっている。この密度。この圧力。ものすごい凝った伏線やどんでん返しみたいなものはないんだけれど、そんなもんなくても映画ってのはおもしろく作れるんや! ということを教えてくれる。


5.『ランダム 存在の確立』(ジェームズ・ウォード・バーキット監督)
演:エミリー・フォクスラー、モーリー・スターリン
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 量子論SFホラー、いわゆる「シュレディンガーのネコ」ものだと聞けば、その時点でかなりの人が観る気失せるかもしれないけれど、これは存外に掘り出し物。伏線やアイテムの使い方が明示的かつソリッドで、ほとんどのシーンが民家のリビングで繰り広げられる会話劇でありつつもしっかり見せてくれる。説明不足でない程度には親切で、説明過多でない程度の上品さも良い。


6.『マジック・イン・ムーンライト』(ウディ・アレン監督)
演:コリン・ファースエマ・ストーン
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 ロマンチック・コメディ。舞台は1920年代。エセ霊能力者を告発して名を挙げた人気マジシャン(ファース)が友人の頼みで自称霊能力者(ストーン)のインチキを見破るため、コート・ダジュールへ。しかし、霊能力者はあきらかにトリックを駆使しているようには見えない不思議パワーを次々と発揮、彼女の魅力もあいまってマジシャンは「彼女はホンモノではないのか?」と不安に陥っていく……というお話。
 『アメイジングスパイダーマン』でトッポい使われ方してたエマ・ストーンが本作では最高に輝いていたり、最初は自信満々だったコリン・ファースがストーンにいろんな意味で幻惑されていく様子がキュートだったりと出てくるキャラクターみんながこちらの心臓をわしづかみにしてくる。そのキャラクターの魅力でもってエマ・ストーンの正体を宙吊りにしといてからの真相開示、そしてその後のどんでん返しの観せ方がこれしかない、というクレバーさ。


7.『真夜中のゆりかご』(スサンネ・ビア監督)
演:ニコライ・コスター=ワルドウ、マリア・ポネピー、ウルリク・トムセン
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 赤ん坊をめぐるクライム・ナーブスリラー。ビアにしろヴィンターベアにしろ日本に入ってくる最近の北欧映画ってだいたいまあ暗いんですが、『真夜中のゆりかご』はそのなかでもトップクラスの嫌さを醸し出している。90年代っぽい神経症的なスリラーをより洗練した形で見事に造形しなおした重厚な作品です。


8.『ホーンズ 容疑者と告白の角』(アレクサンドル・アジャ監督)
演:ダニエル・ラドクリフ、ジュノ・テンプル、マックス・ミンゲラ
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 ホラーコメディ・ミステリ。恋人を殺害した容疑をかけられたハリーポッター野郎こと*5ラドクリフ。そんな彼がある朝目覚めると山羊っぽい角が生えていた! しかも、その角は周囲にいる人間に「思ったことをなんでも洗いざらい喋らせてしまう」という不思議なパワーを具えており、窮地のハリーポッター野郎は自らの無実を証明すべく、角を利用した真犯人探しへと乗り出す、といった内容。
 不条理な笑いに満ちているけれど、意外ときっちり捜査ミステリやってる。


9.『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』(トッド・ストラウス=シュルソン監督)
演:タイッサ・ファーミガ、アダム・ディヴァイン、マリア・アッカーマン
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 ホラーコメディ。女優の母親を交通事故により亡くしてしまった少女(Tファーミガ)がひょんなことから友人たちと一緒に、かつて母が出演していた80年代のB級カルトスプラッタ映画の世界へ迷いこんでしまう。何もかもが「脚本」通りに起こる世界で、いかにモンスターから逃れ、生き延びることができるか。そして少女は再会した母親(映画のなかの世界なので、厳密には母親ではない)を「殺され役」の運命から救うことができるのか?
 『スクリーム』後のメタホラーの流れを汲みつつジャンル映画としてのホラーをコメディチックにハッキングした作品というとまず『キャビン』が思い浮かびますが、本作も言ってみればそんな『キャビン』チルドレンの一つ。ただ、単なる 80s パロディに終わらず、スプラッタ・ホラーの枠組みを駆使して友情を描き、ひいては「いかにしてフィクションで人は救われるのか」というなかなかスゴイ域にまで達しています。


10.『薄氷の殺人』(ディアオ・イーナン監督)
演:リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、ワン・シュエピン
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 エロ人妻クライム・サスペンス。見てくれはアート映画だし、事実そのように評価されているけれども、それなりにツイストも仕掛けられていて飽きない。


11.『オキュラス/怨霊鏡』(マイク・フラナガン監督)
 アメリカ・ホラー映画界でちゃくちゃくと「観るべき監督」の地位を固めつつあるフラナガンのホラー。
 子どものころ両親を「呪いの鏡」に殺された、と信じている姉弟が復讐を果たすためにその鏡を拉致・監禁し、鏡をぶっ壊す方法を探る。
 数々の特殊能力(マインドコントロール、幻覚作用)を持つ鏡をいかにして破壊するかをロジカルに探っていくプロセスが面白い。カメラで「現実」を映しといて幻覚と現実を判断したり、鏡に殺されないようにある予防線を張ったり……方向性もスタイルもぜんぜん違うけれど、森川智喜の『スノーホワイト』を彷彿とさせる。


12.『22ジャンプ・ストリート』(フィル・ロード&クリストファー・ミラー監督)
演:チャニング・テイタムジョナ・ヒル
 相変わらずの伏線芸だし十分楽しめたんけれど、やはり一作目の衝撃に比べると……。


13.『インヒアレント・ヴァイス』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
演:ホアキン・フェニックスジョシュ・ブローリンオーウェン・ウィルソン
 『三つ数えろ』や『ロング・グッドバイ』などの迷宮系ハードボイルド映画の血統を受け継ぐラリパッパ探偵映画。たぶん原作読むか二度以上観るかしないと事件の構図がよくわからないと思う。それはともかくとして、とにかく楽しい映画です。


14.『ドラフト・デイ』(アイヴァン・ライトマン監督)
演:ケビン・コスナージェニファー・ガーナーデニス・リアリー
 NFL(アメフト)の新人ドラフトが舞台、というかなり変化球なドラマ。ぼんやりしたルールが観客に提示されて、そのルール内で(あるいはその穴をついて)どうやって最大の利益を獲得していくか、という特殊設定本格みたいな趣向がほどこされている。まず、「ドラフト中に指名権(来年以降の分も含む)や選手(その場で獲得した選手を含む)を他球団とトレードできる」という設定が新奇きわまりない。
 で、弱小球団のGMを任されているケビン・コスナー実力主義で新人を採用したい監督と人気優先でスター選手を取りたいオーナーとの板挟みなりつつ、頭脳と弁舌でもって、どうドラフトを乗り切っていくのか、という話。
 知能ゲーム仕立てとはいえ、わりとゴリ押しな面も強いので、あんま盲点の論理的なものを期待しすぎるとがっかりする。むしろドラマ部分がしっかり作りこまれていて、そちらのほうに好感を持てるかな。


15.『イニシエーション・ラブ
演:前田敦子綾野剛松田翔太だった……)*6
 乾くるみの同名作の映画化。叙述トリック原作の映画化、というと、近年亡くなった某メフィスト作家の某作が思い浮かぶ。あれはあれで興味深かったものの、やはり「逃げ」に走っていた感は否めなかった。
 そこにきて『イニラブ』は真っ向勝負をかけてきて、しかもそれを極めて映画的に成功させた、という点で評価に値する。泡坂妻夫リスペクト(主人公の本棚が劇中トリックを示唆している)なんかもあったりして。
 「ラスト十分*7は余計だろ」という声はまあわかるんだけど、あれやんないと意味わかってくれない観客だって多いのだし、実際「あれ」をやってもわかってくれなかった客もいたそう*8で。
 ミステリとは、つくづくインストールしなきゃいけないプラグインの多い文学ジャンルなのだと思い知らされます。

16.『ジャッジ 裁かれる判事』(デビッド・ドプキン監督)
演:ロバート・ダウニー・Jr. 、ロバート・デュバル、ビンセント・ドノフリオ
 いちおう法廷もの(逆転系)だが、主眼はあくまで父子(デュバル、ダウニーJr.)ドラマ。功成り名を遂げた名判事が一転、とある事件の犯人に仕立てられてしまう。その父親を弁護するために現れたのがダウニーJr. 演じる判事の息子兼弁護士。だが、この父子、犬猿の仲だった。「おまえの助けなど借りん!」と意地をはる父親を果たしてダウニーは救えるのか、といった内容。可もなく不可もなし。


17.『リピーテッド』(ローワン・ジョフィ監督)
演:ニコール・キッドマンコリン・ファースマーク・ストロング
 とある事故のせいで一日ごとに記憶がリセットされる身体になってしまった妻(キッドマン)。夫(ファース)はそんな彼女を献身的に介護する。が、ある時、彼女のもとに医師(ストロング)から電話がかかってきて「君は夫に内緒でビデオ日記をつけているはずだ」と言われる。指示されるがままにデジカメの隠し場所をさぐりあてるキッドマン。そのデジカメには彼女に寄る驚愕の「告白」が記録されていた……。
 現実離れした日常で、みるからに怪しいイケメン夫といかにも怪しいイケメン医師のあいだに板挟みになって苦しむキッドマンの煩悶を描いたナーブスリラー。
 ネタが明かされていくにつれてどんどん凡庸かつ退屈になっていくのがこの手の宿命的な悲しさだけれど、コリン・ファースの演技力やストロングのハゲ力のおかげでフツーに楽しめる作品にはなってる。


18.『ジョーカー・ゲーム』(入江悠監督)
演:亀梨和也深田恭子伊勢谷友介
 ニッチ世界史ミステリ作家だった柳広司を一躍売れっ子に押し上げた同名作が原作。アクション出来ない人を演出でごまかせるのが映画のいいところではあるが、そういうのにも限界があるということを教えられる。これに二時間費やすくらいなら、『陸軍中野学校』を観たほうがよい。


19.『ヴィジット』(M・ナイト・シャマラン監督)
演:ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビ―、オリビア・デヨング、エド・オクセンボールド
 ホラー。「果たしてこのおばあちゃんは本当に僕達私達の実の祖母なのか!?」という部分の解決はわりとどうでもよくて、むしろ主人公の姉弟がいかにして自分たちの抱えるトラウマを克服していくのか、というプロセスがロジカルな興味で処理されている。


20.『ブラック・ハット』(マイケル・マン監督)
演:クリス・ヘムズワースワン・リーホンヴィオラ・デイヴィス
 天才筋肉ハッカーが香港かどこかでテロリストどもを摘発するために頑張るクライムアクション。
 一応謎解きパートみたいなものも挿入されているけれど、基本は銃撃戦を観て聴くための映画。
 あとよく「こんなマッチョなITギークいないだろっw」みたいにツッコむやつらがおりますが、おいおい、筋肉ハッカーだぞ、ロマンだろが。


21.『シグナル』(ウィリアム・ユーバンク監督)
演:ブレントン・スウェイツ、ローレンス・フィシュバーン、オリビア・クック、ボー・ナップ
 SFスリラー。MITで毎日たのしいギークライフを送る大学生(スウェイツ)が謎のハッカーを追ううちにたどり着いたネヴェダで、友人たちといっしょに謎の組織に拉致監禁されてしまった! ので、彼らは怪しい職員(フィッシュバーン)の魔手をふりほどき、施設からの脱出を試みる。
 予告編でも明かされていたけど、少年たちがスーパーな特殊能力を獲得するSFスリラー。演出が死ぬほどねむたいし、オチも六十年代レベルのコテコテさに溢れているけれども、SFXは良かった。


22.『ギリシャに消えた嘘』(ホセイン・アミニ監督)
演:ヴィゴ・モーテンセンキルスティン・ダンストオスカー・アイザック
 みんな大好きパトリシア・ハイスミスの『殺意の迷宮』が原作。アテネで出会った青年と詐欺師夫婦の三角関係珍道中を描いた重めのノワールだったような記憶もあるけど、まったく頭に残ってない。


23.『毛皮のヴィーナス』(ロマン・ポランスキー監督)
演:エマニュエル・セニエ、マチュー・アマルリック
 会話劇コメディ。同名の戯曲のオーディションというシチュエーションで、謎の女セニエが高慢な演出家アマルリックを翻弄していく。巧みな演出とメタファーと演技で世評こそ高いけれど、大筋としてはセニエのワンサイドゲームが90分まるまる続くだけなので、雑に観ると退屈するし事実退屈だった。


24.『ハイネケン 誘拐の代償』(ダニエル・アルフレッドソン監督)
演:アンソニー・ホプキンスジム・スタージェスサム・ワーシントン
 誘拐された大富豪のホプキンスが口先三寸で誘拐犯グループたちの絆を崩していく……と宣伝されたように覚えているんだけど、実際そんなにホプキンスは活躍せず、誘拐犯たちが勝手に自滅していった印象。


25.『花とアリス殺人事件』(岩井俊二監督)
声:蒼井優鈴木杏
 百合アニメ。『花とアリス』の前日譚。クラスで畏敬を集める霊能力少女の謎! みたいなパートもあるけど三十分くらいでネタばらしされる。それはともかくフツーに傑作です。


見逃した重要作と備考:

『ソロモンの偽証』(前後編):キネ旬の日本映画ランキングでミステリとしては最上位にランクイン。
『白い沈黙』:ミステリ作家やミステリ評論家が絶賛コメントを寄せていた。
ベルファスト’71』: metacritics の「2015年に公開された映画ランキング」の「ミステリ・スリラー・サスペンス部門」で第一位。

他にもインドリダソンの『湿地』が映画化されて東京で特集上映されてたらしいですが、そんなもんまで追えねえよ。


殺意の迷宮 (創元推理文庫)

殺意の迷宮 (創元推理文庫)

*1:探偵や刑事が主人公だったり、「犯人探し」が行われたり

*2:SFミステリといったバイジャンル系のものも含む

*3:原作は1958年発表なので「近未来」

*4:映画公開に合わせてハヤカワで文庫復刊していた

*5:劇中でそんな呼ばれ方はしない

*6:千街先生の twitter より

*7:ぶっちゃけていえば「これまでのおさらい」

*8:友人の証言