名馬であれば馬のうち

読書、映画、その他。


読書、映画、その他。


佐藤哲也『シンドローム』福音館書店

 つまりB級映画が本質的に無用で、時間つぶしにもならないような存在だとすれば、これは本質的に無用で、時間つぶしにもならないような状況であり、言うなれば頭の悪い映画製作者や頭の悪い脚本家が思いついたような状況なので、そこでは誰もが頭の悪い映画製作者や頭の悪い脚本家が思いついたように考え、頭の悪い映画製作者や頭の悪い脚本家が思いついたように行動し、頭の悪い映画製作者や頭の悪い脚本家が思いついたような結末を迎えるのだ、とぼくは思った。だから愚劣なのだ、とぼくは思った。
 p248


・後輩から押し貸しされたので読んだ。
・いうなれば佐藤哲生版『宇宙戦争』。
・挿絵と表紙を西村ツチカが描いてる。
・山に落ちた火球を高校生たちが探る。
・友人との三角関係に懊悩する主人公。
・迷妄に対する強迫観念が繰返される。
・思春期とは他人を妄想する時期です。
・マンガや映画への言及がやたら多い。:
ガメラ2 レギオンの襲来』、『モグラ人間の叛乱 モールピープル』、『サウスパーク』、『ジュラシック・パーク』、『スリザー』、『宇宙戦争』(ウェルズ版、スピルバーグ版、ハスキン版)、『二〇〇一夜物語』、『アンドロメダ』、『デッドマン・ソルジャーズ』、『霧』(キングの)、『エイリアン』、『ブロブ』、『デューン』(リンチ版)、『スピード』、『スピード2』




・一ページあたりの文章の配置や構成、
 そういうのも文体なんだって思った*1
・文章のビジュアル的な配置と音読されるときのリズムは一見トレードオフ関係にあるように思われるけれど、配置が表現に制約をかける以上、むしろ親和的なのではないかな。
 俳句とか短歌とかそうだよね。

シンドローム (ボクラノSFシリーズ)

シンドローム (ボクラノSFシリーズ)

*1:『文体の科学』より